ダークソウル:没になった会話テキストを調べる (1/2)

f:id:inbksk:20210601010327j:plain

この記事はこのブログを始めて書いた最初の記事「ダークソウルの没会話をまとめる」を書き直した物になる。

前記事を書いた当時はゲームに対しての理解度が低く言及できてなかった要素が多々あったが、今回はそういった要素もいくつか拾っていく。

そして今回の記事を書くにあたって大きかったのがDARK SOULS TRILOGY -Archive of the Fire-(電撃PlayStation編集部著)」の存在。

ゲームファイル内のテキストデータは使用/未使用の区別がされておらず、当時は未使用テキストの判断に中々難儀していたのだが、こちらの書籍には「NPC台詞集」という便利なデータが収録されており、今回の記事を書くにあたってかなり役立たせて貰った。(細かい抜けがあるのが玉に瑕だが)

もし宜しければそちらも当記事と併せて読むと面白いかもしれない。

アストラのソラール

f:id:inbksk:20200803201949j:plain

そいつが、鍵を持ってる

…あとは、貴公次第だ

内容的にはチュートリアル用テキスト。

アストラのオスカルが本来はチュートリアル用キャラでは無かったであろうことを踏まえると、彼がチュートリアル用キャラとして考えられた時期があったのかもしれない。

実際、ゲーム本編での彼は白サインろう石や誓約などのチュートリアルを一部担っているので不思議ではないだろう。

ただ、私個人の感触としてはこの会話はイベント設計テストなどで使われたある種のデモ用途にも感じられる。

おお、そうか!やはりそうだろう!
では、早速誓約だ!少し、じっとしていてくれ…
これでよし
あとは、アノール・ロンドの太陽の祭壇で、祈ってみてくれ

俺たちの使命と、力が、分かるはずさ

おお、貴公。まだいたのか
はやく祈ってくるといい。アノール・ロンドの太陽の祭壇だ
それにしても、頼もしい仲間が増えて、俺も誇らしいぜ

(太字でない部分はゲーム内でも使用されている文章を併記している)

ゲーム本編では太陽の戦士誓約時にすぐ側にある太陽の祭壇に祈ることをソラールに促されるという会話イベントがあるが、それについての未使用差分。

どうやらアノールロンドに太陽の祭壇があったようだ。

f:id:inbksk:20210531140916j:plain

楔のデーモンが居たこの部屋は怪しいが…

言われてみると確かに城下不死教区のあの場所にポツンと太陽の長子像が捨て置かれてるのは、少し違和感があるかもしれない。

すまない、少し考え事をしていたんだ…
どうにも、うまくいかなくてな…
アノール・ロンドでも、俺の太陽は見つからなかった
後は、廃都イザリスか、それとも死の王の墓場か…
そんなところに、俺の太陽があるんだろうか…

こちらも同様に不死教区での会話についての小さな差分。

この文章は本来ならば「アノール・ロンドでも、日陰の病み村でも俺の太陽は見つからなかった」とゲーム中では表示される。

実体で会うソラールの移動ルートは不死街→アノロン→不死教区となっているので未使用の方の文章ではおかしくないのだが、霊体の召喚場所も踏まえるとそれらに最下層が加わるので、彼は病み村方面も踏破したという事を示唆する為にセリフが変更されたと思われる。

アストラのオスカル(アストラの上級騎士)

f:id:inbksk:20200803202107j:plain

北の不死院にて

…鍵は、そこにある…
…はやく、きてくれ…
…それが、君の運命だ…

先に書いたソラールの台詞を彷彿とさせるテキスト。

チュートリアル用キャラの役割がソラールからオスカルに引き継がれた時の名残なのだろうか。

…おお、君は…亡者じゃあないんだな…
…よかった…
…私は、もうダメだ…
…内臓が、傷ついている…
…もうすぐ死ぬ。死ねばもう、正気を保てない…
…分かるんだ…
…だから、君に、願いがある…
…こんな丁度いいタイミングで、現れたんだ…
…ハハッ…
…同じ不死の身だ…観念して、聞いてくれよ…

…そうか…
…恥ずかしい話だが、願いは、私の使命だ…
…それを、見ず知らずの君に、託したい…
…私の家に、伝わっている…
…不死とは、使命の印である…
…その印、あらわれし者は
…不死院から…古い王たちの地にいたり…
…目覚ましの鐘を鳴らし、不死の使命を知れ…
…ハァ…ハァ…
…よく、聞いてくれた
…どうするかは、君の自由だが…希望をもって、死ねるよ…
…ハァ…ハァ…
…ああ、それと…これも、君に託しておこう…
…不死者の宝、エスト瓶だ…
…きっと、君の役にたつと思う…
…ハハッ…
…ハァ…ハァ…
…それと、これも…
…じゃあ、もう、さよならだ…
…死んだ後、君を襲いたくはない…いってくれ…
…ありがとうな

チュートリアルでの会話の細かい差分。

「…どうするかは、君の自由だが…希望をもって、死ねるよ…」の部分はゲーム内だと、

「…よく、聞いてくれた…これで、希望をもって、死ねるよ…」というテキストに差し替わっている。

「君の自由だが...」という部分が削られたのは後々のイベントで分岐が存在する為か?と邪推してしまうが、恐らくこのイベント自体がオスカルのクエストラインがカットされた後に書かれたであろうことを踏まえると無関係と思われる。

YESという選択肢を選んだ後に選択を委ねるというテキストが不適当と判断されたというのが妥当な理由だろうか。

火継ぎの祭祀場にて

f:id:inbksk:20210601005252j:plain

・パターンA(プレイヤーが火を継ぐ場合?)

はじめまして

君のことは、老フラムトから聞いているよ

私は、アストラのオスカル

目覚ましの鐘を鳴らし、老フラムトの使命を受けたのだろう?

素晴らしいことだ。期待しているよ

私も、君のような使命に出会いたいものだ

私は、もうすぐ出発する

ずっとここにいても、仕方ないからな 自分の使命を探してみる

君とは、また、どこかで会えるといいな

・パターンB(プレイヤーが火を継がない場合?)

はじめまして

君のことは、老フラムトから聞いているよ

私は、アストラのオスカル

目覚ましの鐘を鳴らした君に、礼が言いたかったんだ

老フラムトの使命は、私が受けた

こちらはもう、大丈夫。君は、君の理由に集中してくれ

お互い、己の使命を果たそうじゃないか

私は、もうすぐ出発する

老フラムトの助言に従い センの古城から、アノール・ロンドを目指すんだ

君とは、また、どこかで会えるといいな

本来予定されていたオスカルのクエストラインの最初の会話。

ロケーションについてはあくまで推測なのだが、火継ぎの祭祀場でロードされるサウンドファイルにはちょうどこの会話のボイスが含まれている事と、そもそもの会話内容を加味すると間違いないだろう。

2パターンある会話内容から察するに、フラムト初対面時の会話におけるYES/NOの選択肢でオスカルの会話内容も分岐していたように見受けられる。

 

おそらく前者のパターンはプレイヤーがフラムトにYESを答えたためプレイヤーが火を継ぎ、オスカルが闇の王へ進む展開と考えられる。

逆に後者のパターンはフラムトにNOを答えた為プレイヤーが火を継がず、代わりにオスカルが火継ぎの使命を全うする事にという事だろう。

ゲーム本編でフラムトにNOと答えた時のテキストに「使命の不死は1人 お主が違うというだけのことじゃ…好きにするといい」という一文があるが、オスカルの進む道が主人公の選択によって変わってしまうのもきっとそういった理由なのだろうか。

 

そしてこの会話における重要な情報として、彼の和名は本来はオスカーではなく「オスカル」を予定していたという事実も挙げられる。

一部のアストラ出身者はソラール、リカール、オスカルといったふうに韻を踏んだようなネーミングをしているが、それは果たして偶然なのだろうか。

黒き森の庭にて

f:id:inbksk:20210601005311j:plain

おお、君か!久しぶりだな、無事でなによりだ

だが、気をつけたまえ

ここにきたということは目的は同じ、騎士アルトリウスの墓だろうが…

この森は、手練の盗賊団の縄張りだ

墓を目指す者は、すべて奴らに狩られてしまうんだ…

…どうだろう?私と組む気はないか?

君と私が協力すればあるいは、盗賊団を退けられるかもしれない

悪い話ではないと思うが?

・パターンA(協力した場合?)

わかった

では、お互い気を緩めずにいこう

誰かに背中を預けるなんて、久しぶりだ…

どうやら、終わったようだな…

君と組んで正解だった。ありがとう

もう、一緒に行動する必要もあるまい

私は、少し休んでいくよ…

よければ、先に行くといい

・パターンB(協力しない場合?)

そうか…

まあ、仕方ない。またどこかで会おう

君の幸運を祈るよ

黒い森の庭でのイベント用と思われる会話。

実際に黒い森の庭でロードされるサウンドファイルにはこの会話のボイスが含まれている。

会話内容から黒い森の庭と判断したが、ゲームファイル内では黒い森の庭は狭間の森と同じ用に扱われてる為、そちらの可能性も考えられなくもない。

ゲーム中にて上級騎士装備一式が狭間の森に落ちているのはこのイベントの名残なのでは?とも考えられるが、単にレベルデザイン上の都合な気もする。

最初の火の炉にて

f:id:inbksk:20210601005336j:plain

・パターンA(プレイヤーが火を継ぐ場合?)

…待っていたぞ…

…フラムトに誑かされた、神の奴隷…

…私は、君を殺して…

…真実の、闇の王となろう…

・パターンB(プレイヤーが火を継がない場合?)

…やっぱり君か…なんとなく、そんな気はしていた…

私は、使命により君を殺す…

闇撫でカアスに従う愚か者…

闇の王よ…

オスカルのクエストラインの最後、おそらく最初の火の炉での敵対イベントでの会話。

ゲーム内のマップIDの都合上、北の不死院と最初の火の炉で読み込まれるボイスは同じサウンドファイルに含まれているのだが、そのファイルにはちょうどチュートリアルのボイスとこのイベントのボイスの2つが収録されている。

 

序盤に出会うNPCと時折邂逅しラストダンジョンにて敵対するという展開は前作デモンズソウルオストラヴァを思い出させる。(厳密にいうと城4はラスダンではないが)

オストラヴァに関連する話として、実はオスカルは内部名で「騎士オストラ」と呼ばれている。

オストラヴァ→騎士オストラ→アストラの上級騎士といったふうに名前が遷移していったのだろうか。

火守女アナスタシア

f:id:inbksk:20200803202217j:plain

…あ、ありがとう、ございました
…ありがとう、ございました
…私は、アストラのアナスタシア
…あなたのお陰で、火防の任を、続けることができます
…そして
…汚れた声をお聞かせしたことを、お許しください
…あなたに、お礼をしたいと思い…
…すみません…

…フラムトさんから、聞きました
…あなたが、火を継いでくださるのですね
…ありがとう、ございます
…これで、不死の呪いも消え、私も、人として死んでいけます
…私では、何もできませんが
…すべてを、あなたのために捧げましょう
…どうか、皆を、救ってください…
…お願いします

 ッ…

ッ…

アッ…

炎の導きを…

通常会話内に於いてカットされた台詞と被ダメージ関連の台詞。

元々アナスタシアは祭祀場にある牢ではなく篝火の近くに座っていたらしく、配置場所の変更に伴ってカットされたのが「…フラムトさんから、聞きました」や被攻撃時の台詞であると考えられる。

f:id:inbksk:20200803134010j:plain

発売前に公開されたスクリーンショット。篝火の位置も少し違うようだ。

殺害時の「炎の導きを…」という台詞はレアやヴィンス等も同様の事を言うので聖職者特有の祈りのようだ。

これはアナスタシアの装備説明でも触れられているように、彼女が元々白の聖女だったことを物語っている。

(実際、内部名でもレアが「白の聖女」と呼ばれているのに対してアナスタシアは「灰の聖女」と呼ばれている)

 ソルロンドのペトル

f:id:inbksk:20200803202241j:plain

助けてください!

誰か!助けてください!

動けないんです!

ああ、貴方…助けてください…

見ての通り捕らわれて、動けないんです

このままでは、屍術の贄にされてしまいます

お願いです…助けてください…

ウッ…

ふう…助かりました

ありがとう。貴方は恩人です

私はソルロンドのペトルスと申します

祭祀場に戻ったら、是非、お礼をしましょう

遠慮なんて必要ありませんよ

焦らないでください

お礼は、祭祀場に戻ってからです

貪欲は、神が厳に戒めるところですよ

「屍術師の贄にされる」という発言からして地下墓地で初遭遇する予定だった模様。

墓地エリア用のサウンドファイルにも実際にこれらのボイスが含まれている。

ラレンティウスやグリッグス等の例を鑑みるに、スペル販売用のNPCは皆どこかしらで囚われてる予定だったようだ。

大沼のラレンティウス

f:id:inbksk:20200803202259j:plain

おお、あんたか
俺ならもう大丈夫だ
様子をみて、不死院に戻るつもりさ

初対面時に壺から救出後、再度話しかけた時の台詞の差分。

祭祀場ではなく「不死院に戻る」と発言しているのが奇妙な点。

これはテキストのみの誤記ではなく、ボイスでも「I'm heading back to the Undead Asylum.」という台詞が別個に存在する。

設定変更の痕跡も見当たらないので、単純にミスなのだろうか。

混沌の魔女クラーグ

f:id:inbksk:20200803202332j:plain

戻れ

これより先は約定の禁域。混沌の生命の地

我等は封印を受け容れている

戻れ

さもなくば、すべて炎の餌食となり

混沌の生命の苗床となろう

約定に従わぬ愚か者が…

クラーグの地を侵した者がどうなるか

その身で思い知るがいい!

ああ、新しい生贄よ

これより先は約定の禁域。混沌の生命の地

そのまま前に進むがよい

ようこそ、生贄よ

クラーグの炎に焼かれ、混沌の苗床となるがいい! 

会話内容を見る限り、会敵時の台詞が2パターン用意されていたようだ。

通常会敵するパターンと生贄として会敵するパターンの2通りがあったように見受けられる。

彼女の台詞が没になった理由ついてはDARK SOULS DESIGN WORKS」内で宮崎Dが語っているが、それとは別にイベントの都合などもあったのかもしれない。

混沌の娘(クラーグ妹)

f:id:inbksk:20200803202355j:plain

…姉さん?
どうしたの?
私なら大丈夫、姉さんの力になりたいの

姉さん、どうしたの?
私にできることがあるの?

あ、姉さん
私なら大丈夫。なんだかあまり痛くないの
最近、姉さんが話してくれるからかな…

…ああ!
ありがとう、姉さん
私、とっても、気持ちいい…
すごく楽になる… 

ああ…
ありがとう…姉さん…
もう、痛くないよ…

様々な会話から一部の台詞がカットされている。

未使用の文がどれも決まって会話末尾の行であることを考えると、人為的な削除というよりも単に実装漏れなのかもしれない。

鍛冶屋アンドレ

f:id:inbksk:20210531142855j:plain

よう、新顔だな
不死教会に入れなくて困ってるのか?
だったら、この鍵をくれてやる
どうせ俺には、無用だからな
俺の名はアストラのアンドレ
見ての通り、鍛冶話なら、力になれると思うぜ

会話内容から察するに、ガーゴイルと戦う不死教会は閉じられておりその扉に掛けられた鍵をアンドレイから受け取るイベントがあったように見受けられる。

ゲーム進行上、ガーゴイルとの戦闘前に鍛冶屋を利用して欲しいという意図があったようだが、作為的すぎた為カットされたのだろうか。

ああ、防具を鍛えるやり方も、武器とほとんど同じだ
単純強化は簡単で、鍛冶箱があれば自分でやることもできるが
進化は俺のような鍛冶の専売だ
単純強化だけだから、むしろ武器よりも簡単だな
武器と防具、どっちを先に鍛えるのかはあんた次第だ
俺だって、あんたの亡者は見たくもねえ
よく考えて判断してくれよ
ウワッハッハッ

鍛冶箱に纏わる後者の未使用テキストは防具にも武器同様の進化(恐らく変質では無く+5,10などのアンロックの方だろう)があった時の名残に思えるが、煩雑さ故かシステム自体がカットされたようだ。

 

そして余談ではあるが、彼には火継ぎの祭祀場にてフラムトの後ろにある女神像を動かして火の炉への道を空けてくれる役目が開発段階ではあったとアートワークスで語られている。

実際にその時のカットシーンが残っており、マップ上にアンドレイを配置した上でカットシーンを再生すると女神像を動かす彼の姿が見れる。

f:id:inbksk:20210531200007j:plain

個人的にそのイベント関連のダイアログが見つかるかと思っていたが、どうやら台詞収録以前にイベントが変更されたのか関連するテキストは一切見当たらなかった。

心折れた商人

f:id:inbksk:20210531145509j:plain

…うう…
…うううううう…
…ぐうううううううう…
…ぐおおおおおおおおっ…
…かんがれろ…おぼれろ…
…なんでいい…かぞれろ…
…いち、にぃ、さん、しぃ、ごう、ろう、な、な…なんでいぃ…
ぐぬぬぬぬぬぬうっ… 

ゲーム本編でも片鱗が見えていたが、亡者化が進んでる様子の描写がカットされている。

DS2には似たような描写が多々あったが、DS1だとこういう描写は珍しい。

ゼナのドーナル

f:id:inbksk:20210531145526j:plain

やあ、こんにちは
また会ったね
何か珍品でも見つけたのかい?
だったら嬉しいな

こちらに珍品があったかを尋ねる会話がカットされている。

彼は「取引」という言葉を多用するので、本来は売却や物々交換が可能にする予定だったのだろうか。

 

DARK SOULS DESIGN WORKS」内の開発者インタビューによると、彼はトリックスターと呼ばれる神出鬼没キャラクターだったと開発者が語っているが、実際に未使用の配置データがいくつかのマップに存在する。

それが以下。

f:id:inbksk:20210531161457j:plain

病み村の火防女の魂が配置されている場所

f:id:inbksk:20210531152656j:plain

飛竜の谷の赤涙の指輪がある場所

f:id:inbksk:20210531152735j:plain

大樹のうつろの下部。下に見えるアイテムは赤楔石の塊。

そして面白いことに、これらの一部ロケーションはゲーム中で彼が語るヒントにそれぞれ対応している。

(以下ゲーム本編より抜粋)

小ロンドの亡霊は、呪われているからね
通常じゃあ手も足も出ない
何とかしたければ、特別な武器か…呪われた体が必要なのさ
手っ取り早く呪われたければ、下水の目玉トカゲがお勧めだな
…やめた方がいいと思うけどね

真偽も分からない噂だけど
この地のどこかに、古い竜の生き残りがいるらしい
僅かな不死が古竜に仕え
自らも竜になるために修行しているとも聞くよ
もし本当なら、是非会ってみたいものだねえ…

以上のことを踏まえると、どうやら各地でその場所にちなんだヒントを助言してくれるキャラクターだったようだ。

もう一つ、地下墓の注ぎ火についてのヒントもゲーム内で教えてくれるが、地下墓地で彼が配置されているデータ等は特に存在しなかった。

恐らくこちらについては当初から祭祀場で教えてくれる予定だったのだろう。

心折れた戦士

f:id:inbksk:20210531185224j:plain

そういえば、あんたも見たか?
大烏の側に、陰気な女がいるだろう。ありゃあ…火防女さ
不死の篝火が消えないように
ずっとあそこにいるのが役目らしい

これはゲーム内テキストではなく、会話パラメータ上にて見つけた一文。

アナスタシアの欄でも説明した通り彼女は元々牢に閉じ込められていた訳では無かったようなので、これはその頃の名残だろうか。

f:id:inbksk:20210531155416j:plain

未使用のカットシーンでは篝火の近くに大鳥が居ることが確認できる。

おい、あんた、見たかい?
ありゃあ、本物の「ビッグハット」だ。伝説的な魔術師だぜ
…まったく、ここは、どうなってんだ?英雄様ばかりだ
俺様なんて、いかにも場違い、居心地が悪いぜ…
…ハハハハハ

これはデータ上でも一見実装されてるように感じられる台詞なのだが、どうやら会話フラグに不備がある(ローガンが祭祀場に来るタイミングとフラムト出現のタイミングが被ってる事に起因するらしい)ようで、通常プレイでは聞けない台詞のようだ。

www.reddit.com

www.reddit.com

封印者イングウァード

f:id:inbksk:20200803202856j:plain

ほう、お前さん…王の器を手に入れたのか…

そうか、お前さんが…

お前さんの目的は、分かっちょる

わしの封印しとる、四人の小王に用があるのじゃろう

…確かに、封印の鍵は、わしが持っておる

じゃが、それを渡す前に、ひとつ頼まれてくれんか

その屋上に、四人の小王の眷属、ダークレイスが一匹棲みついておる

…お前さん、そいつを退治してくれんかの

四人の小王に挑もうという者が、その眷属も倒せんようでは

封印の番として、お主を信用するわけにはいかんでな

いかにお前さんが、フラムトの選んだ者だとしてもじゃ…

いかにお前さんが、王の器を持つ者だとしてもじゃ…

すまんのう…お前さん…

じゃが、わしは封印の番じゃ遥か昔、犠牲になった者たちのためにも

どうしても、お前さんを試さなければならないのじゃよ

おお、お前さん、ダークレイスを倒したのじゃな!
よくやった。…わしも、お前さんを信用しよう
これが、封印の鍵じゃ
四人の小王は、この遺跡の最深部におる
この鍵で、封印を解き…水門を開いて、進むがよい

封印の鍵の入手に関連した未使用イベント周りの会話がカットされている。

「四人の小王の眷属、ダークレイスが一匹棲みついておる」という台詞から国外では未使用のボスである「不死の王・ジャ=イール」に纏わるイベントだったのではないかと考えられていたりするが、改めて日本語テキストを見ると「一匹」という単位に違和感が残る。

実際のところ、屋上で戦う予定だったのは文字通りダークレイスの方だったらしく、ボス用のネームリストにも「ダークレイス」という名前が残っており、未使用のイベントスクリプトもこの名前を参照している。

f:id:inbksk:20210531161722j:plain

「中ボスBGM再生」とラベルされた屋上に存在するイベント領域。

どうやら小ロンドにも牛頭や山羊頭と同じような雑魚中ボス戦があったというのが真相らしい。

.....................................................................................................................................................................................

 

(2/2)に続きます。