今回は手短にブラッドボーンの話でも。
メイン議題はタイトルの通り、逆さま学府ビルゲンワースについて。
逆さま学府ビルゲンワース
ブラッドボーン作中でも中々な不思議ポイント、ビルゲンワース。
昔に書いた記事で教室棟が現実にあっただとかウィレーム学長はボスだっただとか色々書きましたが、他にも変な話がありまして・・・。
それが題の通り、"逆さま学府 ビルゲンワース"という地名です。
まず初めに、ブラッドボーンのアルファ版と思われるテキストデータの中には開発中のNPCとの会話データやらの他に、当時の篝火名(ブラッドボーン風に言えば目覚め又はワープ椅子でしょうか)が残されています。
それは製品版と同じく全エリア分が設定されており、先に挙げたビルゲンワースも例外ではありません。
そして以下がビルゲンワースのそれになります。
ビルゲンワース
逆さま学府 ビルゲンワース
逆さま最深 痴者の月
温故の彼岸
このことからビルゲンワースの元々の名前は”逆さま学府 ビルゲンワース”だった・・・と安直に考えればそうなるのですが少し考えるとまた違ったものが見えてきます。
というのも、他のエリアの篝火名を見る限り、どうやら基本的にこの頃はエリアスタートと最深部の名前だけが設定されていたようなのです。
例えばメンシスの悪夢のように中継篝火がいくつかあるような長いエリアに関しても"ミコラーシュの悪夢"、"悪夢最深 夢魔の棲家"といったように始点と終点しかありません。
つまり4つも篝火名が設定されているビルゲンワースは少しおかしいという訳ですね。
しかし、篝火名の字面を注視するとこの理由は容易に察せます。
わざわざ"ビルゲンワース"という篝火名とは別に"逆さま学府 ビルゲンワース"という篝火名が存在するという事からこのエリアが2つのフェイズに分かれていたことは想像に難くないでしょう。
終点と思われる篝火名も"温故の彼岸"、”逆さま最深 痴者の月”の2つがあり、後者にはご丁寧にも逆さま最深と記されています。
他にも"逆さま"への言及は開発中のミコラーシュ(ローレンス?)の台詞の中にも残されています
ああ、ゴース、あるいはゴスム
逆さまの白痴、ロマ
泥に浸かり、もはや見えぬ湖
宇宙よ!
”逆さまの白痴、ロマ”
これは果たしてビルゲンワース自体を逆さまと呼び、そこに居るロマを指しているのかはたまたこの当時のロマがそういう設定だったのか。
この辺は定かではありませんが、”逆さま”という共通のワードから察するにこの頃から白痴のロマがビルゲンワースに居た可能性は非常に高そうですね。
"痴者の月"という篝火名も白痴の蜘蛛であるロマに関連したネーミングでしょうか。
とどのつまり、"逆さま"とは一体何なのか。
はたして何かを暗喩したモノなのか、又はそういう概念的なモノなのか・・・。
といった感じで自分の考えはしばらく止まっていたのですが、最近になって面白いものが発見されました。
(自分が知る限りだと見つけたのは恐らくLance Mcdonald氏)
まず見てほしいのがこの梯子。
(Meowmaritus氏開発のモデルビューワを使っています)
一見何の変哲もない梯子のように見えますが、アニメーションを再生してみると・・・
なんと不思議なことに逆さまに伸びていくではないですか。
まるで重力が反対に作用しているかのように・・・。
怪しいですね。
次はこちら。
これも未使用オブジェクトなのですが、天井の梁のような足場にエレベーターの機能といった感じでソウルシリーズもといアクションゲーム全般にありがちなアセットです。
これ自体に不審な点は無いのですが、このオブジェクトにはもうひとつ妙なバリエーションがあります。
それがこちら。
一見すると変わりは無いように見えますが何か白いブロック状の塊が追加されてますね。
気になるので裏から覗いてみましょう。
おや・・・。
まるで裏から使うことを想定したような階段が備え付けられているではありませんか。
このエレベータ自体は上部から鎖で繋がれているのにも関わらずこのようなモノが付いているという事はやはり・・・逆さま・・・。
つまり、”逆さま”とは本当に"逆さま"だったようです。
ムジュラの仮面のロックビルの様なダンジョンを予定していたのでしょうか。
大学の謎は深まるばかりです。
以上、逆さま学府のお話。
ビルゲンワースと教室棟と嘆きの祭壇
こちらは以前の記事でも触れていた、教室棟が悪夢に囚われる前のビルゲンワースはどういう構成だったのか?という話についての訂正などの話。
以前に自分は教室棟と現在の学長棟は縦に繋がっていたんじゃないか、と考えていたのですがどうやらそれは違ったようです。
まずはこちらを。
これはロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館にBloodborneが出展してた時に展示されていたものの一つで、見ての通り開発時のマップ設計に関しての資料です。
そしてビルゲンワース(大学)部分を拡大したものがこちら。
大体各建物の形でおおよそ察しはつくかと思いますが、一応本編で使われてるモデルと軽く比較してみましょう。
つまりこういう事です。
現在の月面の湖があった所に教室棟が建っていて、向かい合う形で並んでいたようですね。
そして残る疑問は、この両者に挟まれる形に配置されている通路+ボスルームのような建築。
これに関しては未だにこれといった物がまだ見つかっていないのですが、Twitterで面白い推察をしている方が居ました。
V. ESOTERIC BLOODBORNE POST: When we got access to the early development map, it showed a structure near Byrgenwerth nobody could identify. I suggested it became the Altar of Despair, based on the size + Rom corpse. Now that we have the collision map, I overlayed them, and... pic.twitter.com/IKTDRPjbUW
— Richard Pilbeam (@richard_pilbeam) 2019年12月28日
ツイートの内容は、この未解明のエリアは実は嘆きの祭壇なのでは?というもの。
そこで大聖堂の方の開発資料を確認してみましょう。
次は実際のゲーム内で使用されているマップモデルを見てみます。
開発資料には大聖堂内部の構造が書き込まれていないのでなんとも言えない状態なのですが、実際のマップモデルを俯瞰で見てみるとやはり嘆きの祭壇はこの資料の大聖堂には収まってないのでは?という気がします。
正直な話、大聖堂上層から長いエレベータを経由して地下にある嘆きの祭壇へ、という流れは些か強引というかやや違和感を覚える接続ですし、嘆きの祭壇がビルゲンワースの地下にあったという説は個人的な観点から見ると腑に落ちるように思えます。
そこで開発資料内のビルゲンワースに製品版の嘆きの祭壇を重ねてみましょう。
縦幅は若干オーバーするものの、横幅はほぼ一致していますね。
ビルゲンワース各棟と違い、レイアウトが完全に一致する、というわけでも無いのでこれに関しては話半分に受け取っていただければ幸いです・・・。
自分は学長棟にある謎のタラップはこの地下エリアへの入り口だったら面白いなあ、とか考えていたりしますが今の時点では妄想の域を出ないですね。
真相が明らかになる日は果たして訪れるのでしょうか・・・。
まとめ
・逆さま学府ビルゲンワースは本当に逆さまだったかも。
・教室棟と学長棟が分かれていたよ。
・嘆きの祭壇ビルゲンワースの地下にありそう。
以上です。
おわり さよなら また会う日まで