没データから考察するダークソウル3:没ボスとか没設定の話 後編

f:id:inbksk:20190606123259j:plain

※6.18 母ドラゴンと王の化身関連の追記

 

前回

inbksk.hatenadiary.com

かなり待たせてしまいましたが、ダークソウル3ボスの話、後編です。

ご付き合いくださいまし。

 

クリムゾンバット(デーモンの王子)

これに関しては前々から情報が出ていたりしたので名前だけは聞いたことがある人は多いかもしれないですね。

DLCでデーモンの王子(厳密に言えば傷ついたデーモン)と呼ばれている彼は、元々”クリムゾンバット”というボスでした。

元々割り当てられていたキャラクターIDもDLCでそのまま流用しているらしく、発売前のプレス試遊版では変更前だったようで傷ついたデーモンの表示名がクリムゾンバットのままになってる映像もあったりします。

youtu.be

アルファ版とDLCとの大きな相違点としては、完全な単体ボスだったであろうことと、"神墓"という没エリアに配置されていたということの二点。

 

データに残ってた攻撃モーションはこんな感じ。

右フック
左フック
右振り下ろし
反転攻撃
飛び掛かり:右
飛び掛かり:左
両手叩きつけ:右
両手叩きつけ:左
右側面へ左フック
右側面へ拳で叩き潰し
左側面へ右フック
左側面へ左フック
翼で飛び上がって叩き潰し:右
翼で飛び上がって叩き潰し:左
腐蝕産み_親_残る
腐蝕産み_親_子を生む
腐蝕産み_親_孫を生む子を生む

開発途上なせいかバリエーション自体は少ないものの、基本的に現在とそこまで変わってない様子です。

しかし、その中で一つ気になるのが一覧末尾にある”腐蝕産み”。

どうやらこれはDLCでは完全にカットされた技のようで、彼が単体ボスだった頃はこのような設置系の技で緊張感を演出してくる予定だったのかもしれません。

ついでに言うと彼は内部で”腐蝕蝙蝠”とも呼ばれており、没マップのボス部屋の近くにも蛆人が添えるように配置されていることから、クリムゾンバットという名前とは裏腹にこの頃はかなり毒や腐敗というイメージが強かったようです。

 

ボスソウルの説明はこちら。

大蝙蝠のソウル


莫大なソウルを獲得するか、他にない武器を生み出せる
深き大地の底に封印された大蝙蝠のソウル

使用することで莫大なソウルを獲得できるが
錬成炉に捧げる事で…

アイテム名から察するに製品版で予定されていた名前は”大蝙蝠のデーモン”といった感じでしょうか。センの古城のタクシー君と紛らわしいですね。

 

説明文に”深き大地の底に封印された~”とありますが、実際に没エリアのボス部屋を見るとまさしくその通りで、かなーり地下に彼の部屋は存在します。

f:id:inbksk:20190606135449j:plain

没エリアの図。死ぬほど分かりづらいですが上が地表部で下の○がクリムゾンバット

DLCも似たような感じだったのでそれ含めてのリサイクルだったのでしょう。

そういう点で、吹き溜まりというエリアは開発者にとって都合が大分よろしいかったようで。

 

そして例のごとく彼専用のBGMが存在するのですが、これがまた中々良い曲です。

多分ダクソ3の曲のなかでは三指に入るくらいには好みかも。

www.youtube.com

製品版OSTに収録されてるHU後のデーモン王子戦のBGMとこちらのクリムゾンのBGMを聴き比べてみると若干似通った部分を感じるかもしれません。(開幕のシャウトとかたぶん素材同じ)

 

竜の御使い(妖王オスロエス)

まさにその通りといったネーミングですが、当時の”妖王オスロエス”竜の御使い”と呼ばれており、先述したクリムゾンバットと同様に没エリア"神墓"の中ボスとされていました。

”御使い”というのはとどのつまり天使の事を指していて、実際に彼のコードネーム自体もそのまま”DragonAngel”とされています。

天使といえばゲルトルードが云々といった感じで製品版でもよく考察の話題に上がったりしていましたが、他のデータに天使絡みの物が無いのを考えるとどうやら設定の源流は彼にあるようです。(羽騎士の奇跡も単なる光柱と呼ばれてました)

製品版で出てくる天使絡みの設定が取って付けたようなフワフワ感が否めないのも、恐らく彼が王城に移動される際に開発者がそれらしいバックストーリーを肉付けようと足掻いた結果のなのかもしれません。

正直、そういった点ではかなり雑なまとめ方をした前作(どちらと取っても良い)と比較すると、今作におけるゲーム上の都合とロア的な部分との摺り合わせは上手くいっているような気がします。(蝕の老王とかも上手く収拾したなと)

 

そして彼を語る上で欠かせないのが、片手に抱えた赤子。

www.youtube.com

実際に攻撃モーションの一覧を見ると以下のようなものが。

c2090_竜の御使:あかちゃんつぶし

なかなか直球で良いですね。

 

それはそうと、ロスリックに流れ着く付く前の彼も現在と同様に赤子を潰していたのか、っていう話については手元のデータが上記の動画と同じバージョンの物(既に王城1にオスロエスがいる)だったりするので良く解ってなかったりします。

デザイン画を見る感じ何かしらを左腕に抱えてるように見えなくもないので、その辺は微妙なところ。

f:id:inbksk:20190606150246p:plain 

しかし竜の天使ってモチーフ自体が突飛すぎてまぁなんともイメージが掴みづらいですね。

なんかベタなモチーフでもあれば良かったのですが・・・。

 

あ、それとやっぱりBGMは残ってます。

www.youtube.com

やたら短いのでクリムゾンバットの前半部だったりするのかなとも思ったりしたのですが、スクリプト見る限りどうやらこの頃にヒートアップ転調の概念はなかったようなので多分こいつ。(何でこんな短いのかは謎)

相変わらずブラッドボーンみたいな曲調です。

 

ちなみに、Lance氏がアルファ版をハックして竜の御使いのボスエリアのに侵入した時には以下の曲が流れてました。

youtu.be

この曲は王城のIDが振られてるのでここで流れてても別におかしくないのですが、正直オスロエスってよりは追跡者(踊り子)用のBGMに聴こえます。

まぁ彼は神墓に居たので元々は別のボスに使われてたBGMなのは間違いないなさそう。

 

あと装備ネタなのですが、こいつのボス武器はどうやら月光の他に2つありました。(そもそも月光がボス武器じゃなかった可能性あり)

その2つの武器は名前を変えられ、別の入手方法で製品版に実装されてるので探してみると面白いかもしれません。

その辺は別で記事書くので答え合わせはまた後日。

 

没マップ:神墓

既に何回か触れてますが、ダークソウル3には没になったエリアが存在します。

その名も"神墓"

色々とアレなダクソ2を除くと完全に没になったマップはデモンズも北の巨人の要石(北限)以来だったり。

f:id:inbksk:20190612165403p:plain

LanceMcdonald氏がアルファ版から取得したローポリモデル

上記画像の様な遠景用のモデル等は見つかっているのですが、基本的に殆どのアセットは削除されているようでデモンズの北限のように復元してアクセスする、というのは難しそうです。

しかし、製品版でもMSBと言われるマップ情報を管理しているファイルが何故か(本当に何故か)残されており、エネミー配置やオブジェ配置、遠景用モデルからの他エリアとの位置関係などを読み取ることが可能です。

f:id:inbksk:20190612170325p:plain

左がロスリック、左下が不死街。

まずは位置関係についてなんですが、こんな感じで不死街を見下ろす感じで浮いています。
ダクソ3をプレイしたことのあるユーザーならある程度予想はつくと思うのですが、製品版だと巡礼の大橋があったところのだいたい近くに位置していた様子。

 

それを裏付けるように製品版にこのような没アイテムがあります。

橋の鍵


橋の奥の閉ざされた扉を開く鍵

人が作ったとは到底思えぬ巨大な橋の奥には
未だ誰も見たことがない秘跡が隠されているという
一説にはそこは神の領域とも言われているが…

この神の領域と呼ばれるものがこの神墓の事を指しているのならば、どうやら神墓は大橋からアクセスできるエリアだったようです。

応竜の頂も"橋"と呼ばれていたのでそちらの可能性もあったりするのですが、フレーバー文章では内部ネームの"橋"という呼称は多分使わなそうなので単純に大橋の事を指しているかと。

 

ボス構成は既知の二体。

道中のボスに竜の御使い、終端で地下深くに飛び降りた先にクリムゾンバットといったラインナップ。

クリムゾンバットの巣穴はかなり深いところにあり、このエリアが完全なサブエリアじゃなかったと仮定した場合、ファランかカーサス辺りに繋がってたんじゃないかなあとか予想してます。

大穴から地下に進んでいくルートは不死街カーサス間でも使う予定だったのでそこまで違和感ないかな。

f:id:inbksk:20190612172856p:plain

四角く囲われた領域がクリムゾンバットのボス領域。相当深い。

そして最後にエリアの外観についてなんですが、どうやらここは樹海のようなイメージだった様子。

神の墓に樹海、恐らくモチーフはナウシカ腐海でしょうか。(原作は聞くところによるとそういう話らしい)

とあるNPC/ボスのコードネームがそのまんまユパ様(誰かはわかりますよね)だったりするので他にもナウシカ由来の物があってもおかしくは無いかと。

f:id:inbksk:20190612174422p:plain

LanceMcdonald氏がアルファ版で神墓を読みこんだ状態のスクショ

上記画像もそうなのですが、マップリストには以下のようなテストマップの記述があり、樹海モチーフだったことに関してはほぼ間違いなさそうです。

m99_00_03_02 粥川テスト(神墓樹海)

 

以上を踏まえて、ここでこのマップのエネミーに注目。

f:id:inbksk:20190612174935p:plain

f:id:inbksk:20190612174951p:plain

この通り、キリスト亡者と彼岸島亡者がこのマップの主なエネミーだったようです。

そして樹海の様な外観とこのエネミー達の組み合わせ、どこかで既視感を覚えるのではないでしょうか・・・。

恐らくクリムゾンバット領域を除く森林部の一部が製品版にて”あそこ”に流用されたのかと。

f:id:inbksk:20190618070521p:plain

多分これ神墓のコンセプトアートなのでは

それと余談なのですが、このマップに読み込まれている遠景用の他エリアオブジェクトはやたら精細なものが使わており、開発当時のマップ接続などを少しばかり知ることが出来ました。

以下のは神墓マップで見つけたものの一例。

 ロスリック城なども所々におかしな部分があるので余裕があったら記事にするかも。

廃都のサンドワーム(カーサスの砂ワーム)

f:id:inbksk:20190612192638j:plain

口の中をよく見ると骸骨が詰まっている

エリアは変わりまして、次に紹介するのは燻りの湖で現在も元気にしている”廃都のサンドワーム”

製品版だと変なモブになっていますが、彼は元々ボスの予定だったようです。

 

配置エリアも名の通り廃都、つまり今と同じく燻りの湖に居たらしいです。

内部ではカーサス~燻りの湖は1エリアとして括られていて、イザリスよろしく廃都、あるいは単にダンジョンと呼ばれてました。

 

とはいっても、どうやらカーサス~燻りはダクソ3の中でもかなり多くの変更があったマップのようでして、詳しいことはわかっていません。

少し調べたところ、製品版でデーモンの老王が居たエリアの篝火が"復帰ポイント_篝火 サンドワーム"と呼ばれていたり、エリア内にサンドワームの地表出現ポイントがいくつか設定されたままになっていたりすることから、どうやら彼は老王のボス部屋に配置されていたようです。

 

個人的にはエリアの狭さとかを加味すると色々微妙な気がするのでそれはどうなんだろうかと思ってたり。

他にも没アイテムに”使用することで巨大バリスタを起動させる”と説明が書かれた三連バリスタ起動用アイテムも存在し、おそらく彼がボスだった頃に使用する予定だったようです。

 

そして開発中の攻撃モーション一覧。

c2200_a3000_地中に潜る
c2200_a3001_叩きつけA
c2200_a3002_伸び上がって叩きつける1
c2200_a3003_伸び上がって叩きつける2
c2200_a3004_噛み付き
c2200_a3005_突進噛み付き(投げ・つかみ)
c2200_a3005_突進噛み付き(投げ・胴体ダメージ)
c2200_a3005_突進噛み付き(投げ・投げダメージ)
c2200_a100_3000_地上に出る

雷ブレス攻撃はなかったようなので、叩きつけ等の製品版で見られない物理攻撃がいくつかありますね。 

 

ボスだった頃の彼のBGMはこちら。

www.youtube.com

動画タイトルでは投稿者の推測に基づいてYuka Kitamuraとクレジットされてますが、個人的には桜庭統氏の曲に聞こえるような。

ボルド戦のように中々疾走感がある曲調でなかなか良いですね。

 

それと、サンドワームにはどうやら子と親が居たようでして、実は製品版で使われてるのはキャラID見る感じだと子供の方っぽいです。

多分モデルだけ交換して実際に没になったのは子供の方かもしれないですが。

アレ以上にデカい個体とかゲームにならなそうですしね。

 

死霊の王(覇王ウォルニール)

次もカーサス繋がりで”死霊の王”こと”覇王ウォルニール”。

とは言っても彼はずっとカーサスの地下墓に封印されていた・・・という訳でもなく紆余曲折あった末にあそこに閉じ込められてしまったようです。

 

発売前のPVを覚えているでしょうか。

それに映った彼は確かにカーサス以外の場所に解き放たれていました。

f:id:inbksk:20190616112645p:plain

https://youtu.be/-XwhYVzN_a0より

暗くて解りづらいのですが、DS3プレイヤーならすぐここが"罪の都"のヨームが居たボス部屋だということに気づくでしょう。

彼の容姿から察するに、罪の都で至るところに放ってある金品は彼の私物だったのでしょうか。

 

実際にデータ内でも彼が居た痕跡があるのですが、これがまたややこしい事に開発時期によってカーサスに居たり、罪の都に移ったり、と彼の住居は二転三転していた様子。

調べた感じ、拠点に蝕の老王が居た頃のデータだと元々カーサスに居たようですが上記のPV公開の時期、つまり老王がラスボス降格された辺りには地下牢に移されていたようです。

どうやらそこから製品版と同じカーサスに戻されたのは本当に開発終盤だったようで、自分が今まで見た中だともっとも直近で設定が変更されたボスのように感じます。

攻撃モーション一覧はこんな感じ。

現在と遜色ないほどに作り込まれてます。というか製品版より手が込んでるような。

c5160_死霊の王:右手叩き付け
c5160_死霊の王:右手薙ぎ払い
c5160_死霊の王:左手叩き付け
c5160_死霊の王:スケルトン復活
c5160_死霊の王:前進攻撃 - 右手
c5160_死霊の王:前進攻撃 - 左手
c5160_死霊の王:瘴気ブレス(HU前)
c5160_死霊の王:瘴気ブレス(HU前)
c5160_死霊の王:墓王剣取り出し
c5160_死霊の王:墓王剣取り出し攻撃A
c5160_死霊の王:墓王剣取り出し攻撃B
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 突き刺し
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 突き刺し爆発
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾A中)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (発生弾)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾A右)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾A左)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾B中)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾B右)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾B左)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾C右1)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾C右2)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾C左1)
c5160_死霊の王:墓王の大剣舞 (追跡弾C左2)
c5160_死霊の王:右手剣定点攻撃
c5160_死霊の王:右手剣なぎ払い
c5160_死霊の王:左手叩きつけ
c5160_死霊の王:前進攻撃
c5160_死霊の王:スケルトン復活
c5160_死霊の王:右手薙ぎ払い追加(HU前)
c5160_死霊の王:ずらし両手叩きつけ(HU前)_右手
c5160_死霊の王:ずらし両手叩きつけ(HU前)_左手
c5160_死霊の王:突進(HU前)_体
c5160_死霊の王:突進(HU前)_右腕
c5160_死霊の王:突進(HU前)_左腕
c5160_死霊の王:瘴気ブレス(HU後)
c5160_死霊の王:瘴気ブレス(HU後)
c5160_死霊の王:2連斬り(HU後)
c5160_死霊の王:右手剣刺突(HU後)
c5160_死霊の王:突進(HU後)_体
c5160_死霊の王:突進(HU後)_左手
c5160_死霊の王:突進(HU後)_右手剣
c5160_死霊の王:漂う瘴気

ざっと見てまず目につくのは墓王の大剣舞やら墓王剣やらニト関連のワード。

製品版だとあんな見た目の割にフレーバーで匂わせる程度に落ち着いていたニト要素ですが、どうやら開発中はしっかりとニトの後継者のようなキャラクターにしたかったようです。

前回紹介したエルドリッチ(サリヴァーン)にも大剣舞の没モーションがありましたが、死霊の王との関連性を持たせたかったからなのか、はたまた死霊の王が設定変更された際に大剣舞の周りのエフェクト勿体無いからエルドリッチ使おう、ってなったのかは不明。

 

まぁデータを見る感じ恐らく前者かと思われます。

とはいってもエルドリッチとウォルニールにどういう関係性を持たせたかったのはよくわかりません。アンパンマンみたいに体の一部でも喰わせてあげたのかな。

 

ニト関連のモーションが削られた理由自体はカーサスに移動した際の想定プレイヤーレベルと相関したバランス調整の結果、って事なのだろうけど正直言うと製品版のウォルニールは死ぬほど退屈なボスの一人だったりするので出来ればそのまま戦いたかったですね。。。勿体無い。

 

それとNT版をプレイした人なら覚えてると思うのですが、ダクソ3には墓石システムと言うものがありました。

f:id:inbksk:20190616153210j:plain

こんなん

製品版のゲームデータにもこのテキストは全マップ分残っており、この死霊の王が罪の都に居た頃の物も残されています。それが以下。

61390040 魂の捕食者。喪失したソウルは深淵へと飲み込まれた

これは罪の都のボス部屋近くに配置されていたもの。

こういうのも残されてる辺り、死霊の王がカーサスに移動したのはやはり相当後の方だったようです。

 

狂戦士ハレック(巨人ヨーム)

キャラクター性からして覆るような名前ですが、開発時の"巨人ヨーム""狂戦士ハレック"という名前でした。

先述した死霊の王の項である程度は察しがつくかと思われますが、死霊の王とボス部屋を交換し合っていたのは恐らく彼です。

つまり、死霊の王が罪の都に鎮座してる頃、彼はカーサスに配置されていました。

 

とはいっても、死霊の王とまんまボス部屋を入れ替えてたなんて事は当然なく、恐らく彼はカーサスと言うよりは燻りの湖方面のボスだった様子。(カーサスと燻りは同一マップだったりするので)

しかしややこしい事に、当時のカーサス燻り(以下廃都と呼ぶ)は現在と全然違ったマップだったようでイルシールとはまた別の形で接続されていたようです。

f:id:inbksk:20190616131535j:plain

個人的に怪しく感じるのはこの辺

そう考える要因の一つは、ハレックの篝火の名前が”【ボス篝火】ハレック(アノール方面最奥)”と名付けられている事にあります。
この篝火がイルシールないし地下牢にあればまだ色々と解りやすかったのですが、困った事にこの篝火に割り振られていたマップIDはその両者でもなく、”廃都”でした。

この事から考えられるルートは2つありまして、イルシールから廃都に進出できたという篝火名の字面通り素直なルートと、他所から廃都を経由してイルシールに進出できたといった感じのルート。

最初は前者かなと思っていたのですが調べを進めていくと、やっぱり後者のルートのほうが色々と辻褄が合うので後者のルートが正解かなと。

というか、Twitterに書いた通り不死街→廃都のルート見つけちゃったのでつまりそっちが正解。

以上を踏まえた上で篝火の並び等を考えるとどうやらハレックは廃都からイルシールにあがってくる際の門番的なボスだったのかもしれません。

 

マップ談義はこの辺にして攻撃モーションは以下、といきたかったのですが製品版と特に変わった点も見つからないのでモーション一覧は割愛。

ただひとつ言えることといえば、ストームルーラーは無かったですとだけ。

 

そして彼には廃都に住んでいた頃のBGMが存在します。

youtu.be

現在の物と曲調が似てる、と言いたいところですが、このゲームのBGM基本的に全部こんな調子なのでいかんせんなんとも。

ただイメージ的には現在のヨーム戦で流しても違和感無さそうではありますね。

獄吏

せっかくなので地下牢繋がりで獄吏の小ネタ。

攻撃モーションを覗いてたらこんな事が書いてありました。

c2230_獄吏:石化の霧(前方) (頭突き)
c2230_獄吏:石化の霧(前方)
c2230_獄吏:石化の霧(範囲)

確かにゲーム内でも発覚状態になった彼らは霧のようなものを吹き、グラフィックはバジリスクのブレスと同じように見えます。

f:id:inbksk:20190616134515j:plain

これ

あの霧に攻撃判定が無いのは昔から違和感あったけどその原因はこういう事でした。

まぁどちらにしても面倒くさいことには変わり無さそう。

母ドラゴン

前回、守護の古竜=母ドラゴンのように書いてましたがどうやらそれは誤りで、守護の古竜と母ドラゴンは調べたところ異なるキャラIDを持つ別のキャラクターでした。失礼。

母ドラゴンの攻撃モーションを見つけたので紹介しておきます。

尻尾で払う:待機A
通路ブレス1:待機C
通路ブレス1:待機C_着弾1
通路ブレス1:待機C_着弾2
通路ブレス1:待機C_着弾3
通路ブレス1:待機C_着弾4
外階段ブレス:待機F
ロフトひっかき:待機F
2F攻撃:待機E
外階段ブレス:待機G
鐘楼ブレス:待機F
鐘楼ブレス:待機G
懐ひっかき:待機C
1F攻撃:待機D
突く・単通路ブレス2:待機C
通路ブレス3:待機C
通路ブレス3:待機C_着弾1
叩き潰し:待機C
ブレスしつつPCを追う
階段下方にブレス:待機D

モーション説明からわかるように、これは製品版での古の飛竜と同じですね。

実際の製品版ではのっぴきならない事情でもあったのか、ご存知の通り巨大なヘルカイトに置き換えられています。

手元のデータの時点だと巨大ヘルカイト(古の飛竜)自体存在していなかったので、どうやら開発終盤になって既存のものに差し替えられてしまったようです。

 

こちらも邪霊の様にモデルデータ等は全く残ってないので一体どの様な容姿をしていたかは不明です。

しかし前回で紹介した通り、守護の古竜はアートワーク通りのモデルが完成していた割に攻撃モーションがブレスのみしか実装されていなかったりと、早期に開発が放棄されていたようなので、恐らくこの母ドラゴンに守護の古竜のモデルが流用され母ドラゴンとして開発が進んでたのではないかと考えています。

 

後述するSEKIROのボスリストから察するに、このボスも古くから居たようなのでわざわざ削除してヘルカイトに差し替えられた理由は全くもって謎です。

消されたタイミングを考えると、このデザインをDLCで使いたかったが為に差し替えたとかそんな理由だったりするのでしょうか。

 

その他ボス等

一通り大きく変更されたボスは紹介し終えたのでその他細かい差異など。

竜の守護騎士

"竜狩りの鎧"は本来"竜の守護騎士"と呼ばれるボスでした。

顔のデザインがカアスに似てる、なんて言われてましたが名前の通りドラゴンがモチーフっぽいのでたまたま似ちゃったのかも。

 

基本的に製品版と変わった点は特に無さそうなので強いて語ることもないのですが、攻撃モーションを見たところ”蝕化”という強化形態があったようです。

c3160_竜の守護騎士:蝕化:斧
c3160_竜の守護騎士:蝕化:斧:衝撃波

前者は強化モーション、後者はその時に出る爆発でしょうか。

昔から巡礼の蝶(蝕の蝶)と一緒だったのかは定かではありませんが、蝶自体の攻撃モーションは今と全く変わってないようです。

やはり開発にナウシカ好きの方が居るのか、蝶のアメンドーズレーザーは”巨神兵レーザー”と呼ばれてました。

 

あと、このボスは結構後の方に作られてたりするっぽいので、DLC発売前にシリーズ装備が無かったのはおそらく純粋に開発が間に合わなかったんだと思います。

作ってた痕跡すら無かったのでDLC用にリリースを遅らせたというわけでもなさそうです。

 

そしてこいつのBGMはデータ内に何故か9個程もコピペされたファイルが残ってるのですが、未使用バージョンの曲も混じってました。

youtu.be

(この投稿者は通常版のBGMと繋げちゃってるけど後半部だけで単体のBGMな可能性も。未使用分は2:30~より)

闇の双皇子

まぁ言わなくても誰のことかは分かると思われますが、こちらも特に目立った変更もなく。

攻撃モーション見ててもあんまきな臭いのは無いのですがどうやら第二形態がちょっと違かったようで、以下の記述を見つけました。

c5250_闇の双皇子(兄)HU:弟状態切り替え

c5251_闇の双皇子(弟):ガード

 弟状態切替っていうのが目に付きますが、どうやら弟自体の攻撃モーションは魔法を除くとこのガードのみだったようなので、おそらくロスリックに魔法モードとガードモードがあったと考えるのが自然な気がします。

そして復活魔法もなかったようなのでローリアンゾンビ戦法にまだ彼等は気付いていなかったんだと思います。

 

それと気になるのは名前にある"闇"。

ロスリック城の名前が蝕の王城なのは前に書きましたが、それなら”蝕の双王子”という名前が適当かと思われますが何故か”闇”になってます。

彼等の管轄エリアである王城3(大書庫)の至るところにカアスと見られる像が置かれていることもあって色々と邪推してしまいますね。

 

それと、彼等のアルファ版のBGMも何故か残ってます。

曲のIDから察するに王城2、つまりロスリック城後半で使われてたようなので多分彼等のBGMでしょう。

youtu.be

聞いてみるとわかりますが地味に王たちの化身の曲が混じってますね。

化身は急遽追加されたボスのようなので、納期に間に合わせるためにBGMをここからセパレートしたのでしょうか。

王たちの化身

こいつは元々存在しなかったボスだったので特段これと言った没データ等は無いのですが、ただ一つだけ興味深いものを見つけました。

f:id:inbksk:20190618184746p:plain

文字が小さいので各自拡大なりして見て頂きたいのですが、BGM再生領域に"前哨戦"という物があります。

どうやらこれは未使用の再生領域のようで、そのためかマップを見ての通り座標もボス部屋と比べて若干ズレています。

 

何かしらの前哨戦があったようなのは確かなようですが、化身周りはこのマップを含め開発終盤で作られためかデータの残骸も殆ど無く、詳細は全くもって不明です。

芦名源一郎でも居たのでしょうか。

呪われた巨象

呪腹の大樹です。以上。

攻撃モーション見た感じ突進があったっぽいくらいで腹から手が出てくるところも変わってないようです。

こいつ自身、ってよりはこいつのボス部屋からの地下墓ルートが塞がれてしまったのが至極残念。

 

薪のデーモン

製品版では単純に”デーモン”と呼ばれる牛頭によく似た彼は”薪のデーモン”名前でした。

わざわざ名前消すのも不可解なので、多分他のボスと名前入れ替えようとしてそのまま忘れちゃったままとかそういう理由かと思われます。

多分元々はチュートリアルボスかなんかだったのかも。

 

 

SEKIROデータ内で見つかった開発版のボス名リスト

<text id="2000">蝕のオオカミ
<text id="2090">竜の御使い
<text id="2200">廃都のサンドワーム
<text id="3040">深淵の監視者
<text id="3060">薪のデーモン
<text id="5010">嵐の王_単体
<text id="5020">クリムゾンバット
<text id="5030">嵐の王_騎乗
<text id="5110">英雄グンダ
<text id="5120">邪霊
<text id="5140">蝕の老王
<text id="5150">サリヴァーン
<text id="5160">死霊の王
<text id="5180">巨像
<text id="5190">孤王
<text id="5220">枢機卿団
<text id="5230">母ドラゴン
<text id="5240">月光の魔女
<text id="5250">闇の双皇子 兄
<text id="5251">闇の双皇子 弟
<text id="5260">ハレック
<text id="7000">追跡者

これはSEKIROに入ってるNPC名(ボス名)のデータなのですが恐らく今見つかってるダクソ3の没データの中では一番古い部類のものになります。

どのボスがどれかっていうのは前記事今記事を読んでれば大体分かるかと。

竜の守護騎士、デーモンの老王など、この中に名前が無いボスは基本的に後から追加されたものです。

 

そしてひとつ、知らない名前があります。

 

”孤王”

 

というわけで最後の没ボスである”廃都の孤王”の紹介です。

廃都の孤王

それらしい前振りをしてみたものの、本当に彼については知りません。

他のボスの開発名だったりするのかなと思い長いこと調べてたのですが、どうやら誰とも違うようで、完全にゲームからカットされたボスのようです。

モデルなんてものは勿論残ってるわけもなく、一部のパラメータ説明に名前があるのみです。

c5190_廃都の孤王:振りおろし:正面
c5190_廃都の孤王:振りおろし:正面:爆風
c5190_廃都の孤王:突き刺し:右足周辺
c5190_廃都の孤王:突き刺し:右足周辺:爆風
c5190_廃都の孤王:突き刺し:左足周辺
c5190_廃都の孤王:突き刺し:左足周辺:爆風
c5190_廃都の孤王:突き
c5190_廃都の孤王:突き:爆風
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-1:払い
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-2:払い
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-1:払い:爆風
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-2:払い:爆風
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-1:なぎ払い
c5190_廃都の孤王:連続攻撃1-2:逆なぎ払い
c5190_廃都の孤王:連続攻撃2-1:逆なぎ払い
c5190_廃都の孤王:連続攻撃2-2:突き
c5190_廃都の孤王:連続攻撃2-1:逆なぎ払い:爆風
c5190_廃都の孤王:連続攻撃2-2:突き:爆風
c5190_廃都の孤王:振りおろし
c5190_廃都の孤王:振りおろし:爆風
c5190_廃都の孤王:左手で払う
c5190_廃都の孤王:突き
c5190_廃都の孤王:突き:爆風
c5190_廃都の孤王:逆払い:右側面
c5190_廃都の孤王:振りおろし:左側面
c5190_廃都の孤王:振りおろし:左側面:爆風
c5190_廃都の孤王:大声を絞り出す
c5190_廃都の孤王:剣先衝撃波

こっちはロックオンカメラ用のパラメータ。前半と後半でカメラが変わる仕様だったらしい。

【FDP】廃都の孤王:前半戦
【FDP】廃都の孤王:後半戦

名前的にヨームの元になったボスかなとも思っていたのですが、SEKIRO発売で先述のNPC名データが出てきたことでまた話が変わってきます。

ハレックと孤王が両方書かれてる時点で別ボスなんですよね。というかモーションも似てるようで全然違う。

 

他にわかっているのは"王城2"に配置されていたようで、恐らく竜の守護騎士が作られて置き換わったということ。

しかしこのボスの名前は”廃都”の孤王なので、名前を見るに元々はカーサス方面に縁のある人物として設定されていたようです。

 

どうやらモーション名見るにDLCボスでリサイクルされた感じも全然しないので完全に消えてしまった様子。

でもSEKIROのデータに入ってるくらい古くからいるボスが完全にカットされるのもかなり不可解なので本当に謎。

攻撃モーション見てピンと来た方など、情報お待ちしております・・・・。

 

個人的にはエルデンリングでしれっと名前変えて出てくるんじゃないかなとか期待してたり。

 

 

ボスの命名とドラゴン・パス(グローランサ

せっかくなので小ネタを一つ。

ドラゴン・パスと呼ばれるルーンクエスト系のTRPGがありまして、宮崎氏はそれの大ファンらしくゲームデータ内のあちらこちらにその兆候が見られます。

f:id:inbksk:20190616150609j:plain

ダクソ1のアートワークス巻末のインタビューより。

ダークソウルで自分が知っている範囲だと以下のボスが該当します。

グンダ→”罪深き”グンダ

ハレック(ヨーム)→“狂戦士”ハレック

クリムゾンバット→クリムゾンバット

不死の王ジャ・イール(1の没ボス)→“剃刀”ジャ・イール

クラーグ→クラグスパイダー(内部でも実際に焔の魔女クラグスパイダーと呼ばれている)

罪の都のエレオノーラ落とすクレッシェンド君はらぺこジャック

ついで言うと、サリヴァーンの獣(門番のワニ犬)はティンダロスの猟犬。これだけクゥトルフ。 

 

他にもTRPG由来のキャラとか居るんでしょうかね。

古のTRPGの情報ってインターネットで調べても全然出てこないので・・・。

 

 

 

今回はこれで以上。

書いてる途中でオキニのキーボード壊したりとかE3でエルデンリング発表されたりと色々ありまして遅くなってしまいました。

 

まぁ正直言うと神墓とか廃都の孤王とか正解が見つかってないものを取り扱う関係で記事を書くこと自体がかなり億劫だったっていうのが最大の要因。

ブラボの吸出し環境が整ったらいよいよダクソは書かなくなりそうだなって思ったので慌てて負債を消化した形です。

とはいってもダクソ3自体飽きたわけでもなく、多分もう1つかもう2つは書く予定。

一応これとかはその記事用の調べ事だったりします。

 

というわけで終わり。

次何書くかは未定。だけど多分ブラボかデモンズかも。